狩猟免許は4種類ある――どれを取るかで、できることがまるで変わる
初めに
「狩猟をやりたい」と思ったとき、最初に立ちはだかる疑問がこれだと思う。「免許って何種類あるの?自分はどれを取ればいいの?」
結論から言うと、日本の狩猟免許は4種類あり、何を使って何を獲るかによって取るべき免許が変わってくる。ここを理解せずに動き出すと、「取った免許では自分がやりたい猟ができなかった」という事態になりかねない。私が免許を取った頃は情報が少なく、まわりに聞ける人もいなかったので、最初は自分で手探りするしかなかった。今は環境が整ってきたぶん、最初に正しく理解して動いてほしいと思っている。
狩猟免許は、都道府県が実施する試験に合格することで取得できる。法的な根拠は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に基づいており、日本で野生の鳥獣を捕獲するには必ずこの免許が必要だ。
この記事では、4種類の免許それぞれの特徴・難易度と、初心者にどれがおすすめかを解説する。
狩猟免許は全部で4種類、それぞれの特徴&難易度は?
日本の狩猟免許は次の4種類です。
| 狩猟免許 | 使用できる猟具 |
|---|---|
| 第一種銃猟免許 | 散弾銃・ライフル銃・空気銃 |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃のみ |
| わな猟免許 | くくり罠・箱罠 |
| 網猟免許 | むそう網・はり網 |
それぞれ詳しく見ていこう。
●第一種銃猟免許
銃を使って狩猟を行う免許で、4種類の中で最も守備範囲が広い。
使用できる猟具
- 散弾銃
- ライフル銃
- 空気銃
主な対象動物
- シカ
- イノシシ
- カモなどの鳥類
銃を使うため捕獲効率が高く、大型の獣を仕留めることができる。現場では「銃猟の機動力と、わな猟の待ち伏せを組み合わせる」スタイルで活動しているハンターも多い。
ただし、注意が必要な点がある。銃を使うには、狩猟免許とは別に「銃の所持許可」を警察から取得しなければならない。具体的には射撃教習・警察による審査・銃の保管設備の確認などが必要で、取得まで半年〜1年かかることも珍しくない。「免許を取ったのに銃が手に入らない」という状態が続くことは覚悟しておいてほしい。
難易度目安
中〜高
●第二種銃猟免許
空気銃のみを使用する狩猟免許だ。
使用できる猟具
- 空気銃
主な対象
- 小型の鳥類
空気銃は散弾銃よりも威力が低いため、大型の獣を捕獲することはできない。その代わり、反動が少なく比較的扱いやすいという特徴がある。鳥猟に特化した猟をやりたい人向けの免許だ。
新人の子から「第二種から始めようか迷っている」という相談を受けることがある。が、「将来的にシカやイノシシもやりたい」という目標があるなら、最初からわな猟か第一種を目指した方がいい。目的に合った選択をしてほしい。
難易度目安
中程度

●わな猟免許
くくり罠や箱罠を使って動物を捕獲する免許だ。現在、4種類の中で最も取得者が多い免許でもある。
使用できる猟具
- くくり罠
- 箱罠
主な対象動物
- シカ
- イノシシ
- アライグマ
- ハクビシン
動物の通り道に罠を設置して捕獲する。銃を使わないぶん安全性が高く、農作物被害対策の現場でも最もよく使われている方法だ。私自身もこの免許から猟師としてのキャリアを始めた。「どこに仕掛けるか」の判断力と、毎日の見回りを続ける根気が問われる猟で、地味だが奥が深い。
このサイトのくくり罠の設置場所の記事や解体の記事は、この免許を持った方に向けて書いている。免許を取る前から読んでおくと、現場のイメージが掴みやすくなるはずだ。
難易度目安
低〜中
●網猟免許
網を使って鳥類を捕獲する、4種類の中で最も伝統的な猟法だ。
使用できる猟具
- むそう網
- はり網
主な対象
- 鳥類
現在は取得者が少なく、実際の狩猟で使われる機会も限られている。「この猟法に特化してやりたい」という明確な目的がある人向けの免許だ。初めて免許を取るなら、まず他の3種類を検討した方がいいだろう。
難易度目安
低〜中
初心者におすすめの狩猟免許
迷っているなら、わな猟免許から始めることを強くすすめる。
理由はシンプルだ。
- 銃の所持許可が不要なので、余分な手続きがない
- 費用が比較的安い
- 危険性が低い
- シカやイノシシという、農業被害の主役を捕獲できる
実際、私の周りで猟を始めた人の多くがわな猟からスタートしている。「まず山の中で動物の気配を読む感覚を養い、その後に銃猟も加える」という流れが、現場感覚を積み上げるにはいちばん合理的だと感じている。
もちろん、「最初から銃猟をやりたい」という明確な目的がある人は第一種を目指せばいい。ただその場合は、銃の所持許可取得に時間がかかることを前提に、長いスパンで計画を立ててほしい。
おまけ①:狩猟免許はどれくらいで取得できる?
申し込みから免許取得まで、一般的には1〜2か月程度が目安だ。
流れはこうなる。
- 申し込み
- 講習会(任意だが、参加を強くすすめる)
- 試験
- 合格
- 狩猟者登録
ただし、試験は年に数回しか実施されない。「受けようと思ったら今年の日程はもう終わっていた」というのはよくある話だ。思い立ったら、まず試験日程を確認するのが最初の一手だ。
おまけ②:狩猟免許の申し込み方法
狩猟免許試験は各都道府県が実施している。たとえば東京都の場合は、東京都環境局のホームページから試験日程を確認できる。
一般的に必要な書類は以下のとおりだ。
- 狩猟免許申請書
- 医師の診断書
- 写真
- 手数料
書類の準備は思ったより手間がかかることがある。特に医師の診断書は時間がかかる場合があるので、早めに動き始めることをすすめる。
まとめ――「どれにするか」を決めて、今日動き出してほしい
4種類の免許をまとめるとこうなる。
| 免許 | 向いている人 | 難易度 |
|---|---|---|
| 第一種銃猟 | 大型獣・鳥類を銃で獲りたい | 中〜高 |
| 第二種銃猟 | 鳥猟に特化したい | 中 |
| わな猟 | まず始めたい・農業被害対策もしたい | 低〜中 |
| 網猟 | 伝統猟法に特化したい | 低〜中 |
迷っているならわな猟。やりたいことが明確なら、それに合った免許を選べばいい。
ここまで読んでくれた方に一つお願いがある。今日、自分の都道府県の試験日程をひとつ調べてみてほしい。 それだけでいい。調べた先に、具体的な動き方が見えてくる。「いつか取ろう」と思い続けて何年も経ってしまった人を何人も見てきた。踏み出すなら、早い方がいい。
このサイトには狩猟免許の取得手順、くくり罠の設置場所、解体の方法、安全装備など、現場で役立つ記事を揃えている。免許を取る前から読んでおくと、山に入るときのイメージが掴みやすくなるはずだ。

管理者コメント
私が免許を取ったとき、「4種類あるってことは知っていたが、どれが自分に合っているか誰も教えてくれなかった」という状況だった。今は情報が増えたが、それだけに「どれを選べばいいか」で迷う人も増えている気がする。
このサイトを作ったのは、そういう「入口で止まってしまう人」に向けて、現場の感覚を持った言葉で情報を届けたいと思ったからだ。狩猟は自然と真剣に向き合う活動であり、危険も責任も伴う。だからこそ最初の一歩を、しっかりした情報を持って踏み出してほしいと思っている。
