獣 類(17種)

ヒグマ
Ursus arctos yesoensis
哺乳類 / クマ科
分布
北海道全域に広く分布。山間部を中心に生息するが、知床・日高山脈などで個体密度が高い。ユーラシア大陸・北米大陸にも広く生息する世界最大級の陸上肉食獣の一つ。
形態
日本の陸上野生動物として最大。体長130〜230cm、体重はオス150〜400kg以上、メス50〜150kg程度。体色は黒褐色から淡褐色まで個体差が大きい。肩の筋肉が盛り上がる。
捕獲制限
1日1頭
捕獲制限あり。くくりわな使用時は輪直径12cm超・締付防止金具なしのものが使用可。ハンター保険等への加入も強く推奨。
補足情報
雑食性で植物・魚類・昆虫・動物の死体などを食べる。冬眠は11月下旬〜3月頃。本種に起因する人身事故は年々報告が増加傾向にある。ジビエとして肉や脂も利用されるが、旋毛虫(トリヒナ)の寄生リスクがあるため必ず中心部まで加熱調理すること。
ツキノワグマ
Ursus thibetanus japonicus
哺乳類 / クマ科
分布
千葉県を除く本州全域と四国の一部(高知・愛媛)に分布。北海道には生息しない。本州の約45%の地域で生息が確認されており、近年は生息域が拡大傾向にある。
形態
体長120〜180cm、体重オス50〜130kg、メス40〜70kg程度。体色は黒く、胸部に三日月形の白い紋がある(個体差あり)。ヒグマより小型だが、力が強く木登りも得意。
捕獲制限
1日1頭
都道府県によっては捕獲禁止・頭数制限の強化措置が取られている。四国個体群は絶滅危惧状態にあり、四国全域で捕獲が禁止されている都道府県もある。
補足情報
植物食中心の雑食性。ブナ・ミズナラなどの堅果類、液果類、昆虫なども食べる。冬眠期間はヒグマに準じる。農業被害(養蜂・果樹など)の報告も多い。肉はジビエ利用されるが、ヒグマ同様に旋毛虫への注意が必要。
ニホンジカ
Cervus nippon
哺乳類 / シカ科
分布
北海道(エゾシカ)から九州・沖縄まで全国に広く分布。近年は個体数が急増し、かつて少なかった地域でも確認されている。推計生息数は200万頭以上(エゾシカ含む)に達する。
形態
体長100〜190cm、体重オス40〜150kg、メス25〜80kg程度(地域・亜種差が大きい)。夏毛は赤褐色に白い斑点、冬毛は茶褐色。オスにはつる形の角を持ち、繁殖期(秋)に鳴き声が響く。
捕獲制限
制限なし(原則)
日数・頭数の全国一律制限なし。都道府県によって狩猟期間の延長・通年捕獲の措置が行われている場合がある。くくりわなは輪直径12cm超のものが使用可(ヒグマ・イノシシ・シカに限る)。
補足情報
草食性で水稲・野菜・果樹・林業への被害が深刻。農林水産省はジビエ利用を推進しており、食肉としての需要が拡大中。E型肝炎ウイルスのリスクがあるため生食は厳禁。
イノシシ
Sus scrofa leucomystax
哺乳類 / イノシシ科
分布
本州・四国・九州に分布。近年は温暖化の影響で東北・北陸にも生息域が拡大中。かつて生息しなかった積雪地帯でも定着事例が増加している。
形態
体長100〜180cm、体重40〜150kg。体毛は黒褐色〜灰褐色で硬い剛毛に覆われる。オスには発達した犬歯(牙)を持つ。幼獣(ウリ坊)は縦縞があり識別しやすい。
捕獲制限
制限なし(原則)
全国一律の日数・頭数制限なし。くくりわなは輪直径12cm超のものが使用可。豚熱(CSF)陽性確認地点周辺では出荷自粛区域が設定されている場合がある。
補足情報
雑食性で根菜類・水稲・果実などを食べる。嗅覚が非常に鋭く、学習能力が高い。農業被害額はシカと並び全国トップクラス。E型肝炎ウイルスリスクがあり、生食・不完全加熱は厳禁。
タヌキ
Nyctereutes procyonoides viverrinus
哺乳類 / イヌ科
分布
北海道から九州まで全国に広く分布。里山・雑木林・農耕地周辺に多く生息。都市部でも目撃されることがある在来種。
形態
体長50〜70cm、体重3〜6kg。体毛は灰褐色〜茶褐色で、目の周りに黒褐色の縞模様がある。アライグマと似るが、アライグマは尾に縞模様があり、前足が器用な点で区別できる。
捕獲制限
制限なし
全国一律の捕獲制限なし。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
雑食性で果実・昆虫・小動物などを食べる。夜行性で、ため糞(特定の場所に糞をまとめる習性)がフィールドサインとして有用。一般に冬眠はしないが、寒冷地では活動が低下する。
キツネ(ニホンキツネ)
Vulpes vulpes japonica / V. v. schrencki(北海道)
哺乳類 / イヌ科
分布
北海道から九州まで全国に分布。本州・四国・九州ではニホンキツネ、北海道ではキタキツネ(Vulpes vulpes schrencki)が生息する。農耕地・草原・山地と幅広い環境に適応。
形態
体長50〜75cm、尾長30〜45cm、体重2〜7kg。体色は赤みがかった橙色〜褐色で、腹部は白い。尾の先端が白い個体が多い。尖った鼻と三角形の耳が特徴的。
捕獲制限
制限なし
全国一律の捕獲制限なし。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
雑食性だが小型哺乳類(ネズミ等)・鳥類・果実を好む。北海道ではエキノコックス(多包条虫)の宿主になっており、捕獲・解体時は感染予防に注意が必要。内臓の生食・不完全加熱は絶対に避ける。
アナグマ(ニホンアナグマ)
Meles anakuma
哺乳類 / イタチ科
分布
本州・四国・九州および小豆島に分布。北海道には生息しない。里山・農耕地周辺の土手や斜面などに巣穴を掘って生活する。生息数は減少傾向にある。
形態
体長40〜60cm、体重4〜10kg。ずんぐりした体型で短い足を持つ。体色は背面が灰褐色、腹面が黒っぽく、頭部に黒と白の縞模様がある。タヌキやハクビシンと混同されることがあるが、尾が短く、体型が低い。
捕獲制限
制限なし
全国一律の捕獲制限なし。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
在来ジビエとして「最高峰の食材」と評されることがある希少種。脂身が多く濃厚なコクがある。ミミズ・コガネムシ幼虫・果実など雑食。タヌキと同じ巣穴を共用することがあり「同じ穴のムジナ」という諺の由来。冬眠する(11月下旬〜4月頃)。
テン(ホンドテン)
Martes melampus melampus
哺乳類 / イタチ科
分布
本州・四国・九州に分布(北海道にはエゾクロテンが別種として生息)。亜種ツシマテンは対馬にのみ生息し、狩猟対象外。山地の森林を好むが、農村周辺にも出没する。
形態
体長40〜55cm、体重1〜2kg。体毛は夏毛が黄橙色〜褐色、冬毛は黄白色〜橙黄色となる。顔は暗褐色で対照的。スリムな体型で木登りが得意。
捕獲制限
制限なし
亜種ツシマテンは捕獲禁止。北海道のエゾクロテンは別種のため本表の対象外。
補足情報
雑食性で小型哺乳類・鳥類・果実・昆虫等を食べる。夜行性〜薄明薄暮型。毛皮の美しさから古くから毛皮目的で捕獲されてきた経緯がある。俊敏で木の上を縦横に駆けまわる。
イタチ(オスのみ)
Mustela itatsi
哺乳類 / イタチ科
分布
北海道から九州まで全国に分布する在来種。水辺・農耕地・草地を好む。都市近郊にも生息する。チョウセンイタチ(外来種)と生息域が重なる地域では識別が重要。
形態
体長はオス30〜40cm、メス20〜25cm。体重はオス200〜650g、メス90〜200g程度で雌雄差が著しい。体色は背面が茶褐色、腹面が淡色。顔に白い模様が入る個体も。
捕獲制限
オスのみ捕獲可
メスは全国で捕獲禁止。オスのみ狩猟対象。くくりわなは輪直径12cm超のものが原則禁止(シカ・イノシシ・ヒグマ・ツキノワグマ以外の獣類)。
補足情報
小型哺乳類・鳥類・魚類・昆虫などを食べる肉食寄りの雑食性。脅かされたり威嚇するときに肛門腺から臭いの強い液体を分泌する。鶏舎への侵入被害の原因になることがある。
チョウセンイタチ(シベリアイタチ)
Mustela sibirica
外来種 / イタチ科
分布
朝鮮半島・中国大陸原産の外来種。本州中部以西・九州・九州周辺島嶼に定着。在来のイタチと競合しており、在来種の減少要因の一つとされる。対馬では在来種として扱われ捕獲禁止。
形態
体長はオス35〜45cm、メス25〜30cm。在来イタチより一回り大きい。体色は背面がオレンジ〜赤みのある褐色で、腹面が淡い橙色。口元に白い模様がある個体が多い。
捕獲制限
対馬では捕獲禁止
対馬以外では制限なし。対馬では在来種として保護対象となるため捕獲禁止。
補足情報
食性・生態はニホンイタチに近い。鶏舎への侵入・農業被害の原因種の一つ。旧名チョウセンイタチ。2020年ごろから標準和名がシベリアイタチとなった。在来イタチとの外見的識別はやや難しく、地域と体格を参考にする。
アライグマ
Procyon lotor
外来種 / アライグマ科
分布
北米原産の特定外来生物。ペット用に輸入された個体が逃逸・放棄されて全国に定着。現在は北海道から九州まで広く分布が確認されており、分布域は急速に拡大中。
形態
体長40〜65cm、体重3.5〜11kg。灰褐色の体に目の周りの黒い「アイマスク」模様と、尾の縞模様が特徴。前足が非常に器用で、ドアノブや蛇口も操作できる。タヌキとの識別はアイマスクと縞尾で判別。
捕獲制限
制限なし
特定外来生物に指定されており、積極的な捕獲が推奨される。許可なく生きたまま運搬・譲渡することは外来生物法で禁止されている。
補足情報
雑食性で農作物・水産物・在来生物への影響が深刻。アライグマ回虫・狂犬病の宿主になるリスクがある。素手での取り扱いは危険で、咬まれたり引っかかれないよう注意が必要。
ハクビシン
Paguma larvata
外来種(諸説あり) / ジャコウネコ科
分布
本州・四国・九州および一部の離島に分布。外来種とする見解が主流だが、在来種説もある(在来・外来の判断が地域によって異なる場合がある)。北海道には生息しない。
形態
全長90〜110cm(尾含む)、体重3〜4kg。体色は灰褐色〜黄褐色で、額から鼻先にかけて白い帯(白鼻)が走る。これが名前の由来(白鼻芯)。尾は長く、木登りが得意。
捕獲制限
制限なし
全国一律の捕獲制限なし。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
果実・野菜等を好む雑食性。ブドウや柿などの果樹被害の主要原因種の一つ。夜行性で電線や木を伝いながら移動する。屋根裏に住みつく家屋被害も報告されている。
ヌートリア
Myocastor coypus
外来種 / ヌートリア科
分布
南米原産の特定外来生物。戦時中に毛皮用に輸入された個体が逃逸して野生化。現在は近畿・中国・四国・九州を中心に分布し、河川・湖沼・水路周辺に生息する。
形態
体長40〜65cm(尾含まず)、体重4〜9kg。ネズミに似た大型の齧歯類で、橙色の大きな前歯が特徴的。水かきを持ち、泳ぎが得意。尾は細長く円形の断面を持つ(ビーバーは尾が扁平)。
捕獲制限
制限なし
特定外来生物に指定されており、積極的な捕獲が推奨される。生きたまま運搬・譲渡は外来生物法で禁止。
補足情報
水草・農作物(水稲・蓮根など)への食害が深刻。堤防や土手に巣穴を掘り、地盤を損傷させる土木被害も報告されている。フランスやイタリアでは食肉利用の取り組みが始まっている。
タイワンリス(クリハラリス)
Callosciurus erythraeus
外来種 / リス科
分布
台湾・東南アジア原産の特定外来生物。神奈川県鎌倉市・逗子市を中心とした湘南地域で定着し、三重県・大阪府などにも分布が確認されている。
形態
体長20〜25cm(尾含まず)、体重300〜500g。体色は背面が灰褐色〜茶褐色で、腹面は赤みがかった橙色。尾は太くふさふさしている。ニホンリス(保護対象)と混同しないよう注意。
捕獲制限
制限なし
特定外来生物。ニホンリスは保護対象であり捕獲禁止。識別が非常に重要。
補足情報
果実・種子・樹皮を食べ、果樹・林業への被害を引き起こす。電気系統への噛害も報告されている。ニホンリス(捕獲禁止)との誤捕獲を避けるため、頭部・腹部の色や尾の形で識別すること。
シマリス(エゾシマリス)
Tamias sibiricus lineatus
哺乳類 / リス科
分布
北海道全域に分布する在来種(エゾシマリス)。本州以南には自然分布しないが、ペット用として移入されたチョウセンシマリスが関東などに野生化している事例がある。
形態
体長12〜17cm(尾含まず)、体重50〜110g。背面の黒・白・茶の5本縞が特徴的。尾は細長くふさふさ。頬袋を持ち、食物を詰め込んで運ぶ。
捕獲制限
制限なし
チョウセンシマリス(外来種)を含む。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
雑食性で種子・堅果類・果実・昆虫などを食べる。秋に食物を巣穴に蓄える。冬眠する(10月頃〜4月頃)。農業・林業への被害は他の外来種と比べて限定的だが、果樹への食害が報告される場合もある。
ノウサギ
Lepus brachyurus
哺乳類 / ウサギ科
分布
本州・四国・九州・対馬・佐渡・隠岐など多くの島嶼に分布する在来種。山地から農耕地周辺まで幅広い環境に生息するが、個体数は減少傾向にある。
形態
体長45〜55cm、体重1.5〜3kg。体色は夏毛が赤褐色〜茶褐色、冬毛は北部個体を中心に白化する。大きな耳と強力な後肢が特徴。ユキウサギより小型で耳の先端が黒い。
捕獲制限
制限なし
はり網猟では1期間を通じた制限が都道府県に委ねられる場合がある。ユキウサギとの識別に注意。
補足情報
草食性で草木・樹皮などを食べる。夜行性〜薄明薄暮型。野兎病(Tularemia)のリスクがあるため、解体時は必ずゴム手袋を着用し生食・不完全加熱は厳禁。ジビエとして白身肉は珍重される希少食材。
ユキウサギ
Lepus timidus ainu
哺乳類 / ウサギ科
分布
北海道全域に分布する在来種。亜高山帯から低地の草原・農耕地周辺まで生息する。本州のノウサギとは別種で、北海道固有の亜種(Lepus timidus ainu)とされる。
形態
体長50〜65cm、体重2〜4kg程度。ノウサギより大型。夏毛は茶褐色だが、冬毛は全身が白くなる完全な季節変色を示す。耳の先端は黒い。
捕獲制限
制限なし
はり網猟の使用が特例として認められている(ノウサギも同様)。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
草食性で雪上の植物や樹皮を食べる。冬の雪上フィールドサイン(足跡)を読む猟法が伝統的な北海道の猟文化として受け継がれてきた。ノウサギ同様、野兎病のリスクがあるため衛生管理を徹底する。

鳥 類(19種)

キジ(コウジュウライキジを含む)
Phasianus colchicus / P. c. karpowi(コウライキジ)
鳥類 / キジ科
分布
北海道と沖縄を除く全国に分布する留鳥。国鳥に指定されている。平地〜低山の草地・農耕地・林縁部を好む。外来亜種のコウライキジは対馬と北海道に放鳥されたものが野化。
形態
全長オス75〜90cm(長い尾羽を含む)、メス55〜60cm。オスは全体的に色彩豊かで赤い顔の周りに緑の光沢があり、長い尾羽を持つ。メスは地味な褐色で縞模様があり、オスより小型。
捕獲制限
1日2羽(ヤマドリとの合計)
メスは令和9年9月14日まで全国(放鳥獣猟区を除く)で捕獲禁止。テープレコーダー等電子音響機器による誘引は禁止。
補足情報
地上で生活し、草地や農耕地でエサを探す。警戒時は走って逃げることが多く、危険が迫ると飛び立つ。肉は締まっていて風味豊か。メスとオスの識別は飛び立つ一瞬の判断が求められる。
ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く)
Syrmaticus soemmerringii
鳥類 / キジ科
分布
本州・四国・九州に分布する日本固有種の留鳥。山地の森林・渓谷沿いを好み、積雪地では標高の低い場所に移動することがある。コシジロヤマドリ(九州南部)は捕獲対象外。
形態
全長オス90〜140cm(長い尾羽を含む)、メス55〜60cm。オスは全体的に赤褐色で、尾羽が著しく長い。メスは茶褐色の地味な羽色で、キジのメスよりやや赤みが強く尾羽が短め。
捕獲制限
1日2羽(キジとの合計)
メスは令和9年9月14日まで全国(放鳥獣猟区を除く)で捕獲禁止。テープレコーダー等電子音響機器による誘引は禁止。
補足情報
鳥猟の中でも最難度とされ、猟犬(ポインター・セッター等)を用いた渉猟が主な猟法。深山の沢地が主なフィールドとなる。肉質は鶏肉に近く、ジビエとして高い評価を得ている。
コジュケイ
Bambusicola thoracicus
外来種 / キジ科
分布
中国原産の外来種。明治時代に放鳥され、現在は本州・四国・九州に定着。低山・丘陵地の竹林・草地・農耕地周辺に生息。北海道・沖縄には分布しない。
形態
全長27〜30cm。キジ類の中では小型。体色は茶褐色・赤褐色・灰色が混じり合い、喉から胸にかけてのオレンジ色が目立つ。雌雄ほぼ同色。「チョットコイ、チョットコイ」という独特の鳴き声で知られる。
捕獲制限
制限なし
全国一律の捕獲制限なし(キジ・ヤマドリの制限とは別枠)。都道府県独自の制限がある場合は確認が必要。
補足情報
群れで生活し、果実・種子・昆虫などを食べる雑食性。「チョットコイ」の大きな鳴き声で存在に気づくことが多い。肉は締まっていて美味とされる。犬使いの渉猟・忍び猟いずれでも対象となる。
エゾライチョウ
Tetrastes bonasia vicinitas
鳥類 / キジ科
分布
北海道のほぼ全域に分布する留鳥。落葉広葉樹・針広混交林を好み、標高200〜1,500m程度の森林に生息。本州のライチョウは特別天然記念物で捕獲禁止(別種)。
形態
全長35〜40cm。体色はオスが喉が黒く頭に短い冠羽があり、全体的に褐色〜灰色の細かい縞模様。メスはやや地味で喉が白っぽい。しっかりした羽根の足で雪上を歩く。
捕獲制限
制限なし
本州のライチョウ(Lagopus muta)は特別天然記念物であり別種。混同しないよう注意。狩猟期間は道府県の規則を確認すること。
補足情報
ハンノキ・ヤナギ類の芽・種子・果実等を食べる。口笛のような高い声で鳴くのが特徴。北海道の伝統的な鳥猟の対象。肉は締まっていて旨味があるとされる。
カモ類共通の捕獲制限:マガモ・カルガモ・コガモ・ヒドリガモ・ヨシガモ・オナガガモ・ハシビロガモ・ホシハジロ・キンクロハジロ・スズガモ・クロガモの11種(オシドリを除くカモ類)の合計で1日5羽まで。網猟では狩猟期間通じて合計200羽まで。
マガモ
Anas platyrhynchos
鳥類 / カモ科
分布
シベリア・北米などで繁殖し、越冬のために全国に渡来する冬鳥。一部は北海道・本州の山地で繁殖。河川・湖沼・水田などに広く生息。カルガモと並び最もよく見かけるカモの一つ。
形態
全長50〜65cm。オスの繁殖羽は頭部が光沢のある緑色で、首に白いリングがある。褐色の胸・灰色の体・青紫色の翼鏡が特徴。メスは全体が褐色の縞模様。飼育されているアヒルの原種。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
マガモ単独での個別制限はなく、カモ類合計で管理。
補足情報
水草・種子・水生昆虫などを食べる陸ガモ(水面採食型)。カモ類の中でも肉質・脂の乗りが良く、ジビエとして人気が高い。家禽のアヒルの原種でもある。
カルガモ
Anas zonorhyncha
鳥類 / カモ科
分布
日本全国に周年生息する留鳥。他のカモ類と異なり渡り鳥ではなく、河川・湖沼・水田・公園の池など身近な水辺に年中見られる。都市部でも繁殖する。
形態
全長55〜65cm。雌雄ほぼ同色で全体が茶褐色の縞模様。嘴の先端が黄色く、基部は黒い(マガモと異なる)。翼鏡は青紫色。オスとメスの区別がつきにくい。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
留鳥のため猟期外でも生息する。猟期は都道府県を確認すること。
補足情報
水草・種子・昆虫などを食べる雑食性の陸ガモ。親子連れで都市の河川を歩く姿が毎春ニュースになる。留鳥であるため渡りのカモとは猟場の状況が異なることに注意。
コガモ
Anas crecca
鳥類 / カモ科
分布
シベリア・北欧などで繁殖し、越冬のために全国に渡来する冬鳥。一部は北海道で繁殖。浅い湿地・水田・河川の浅瀬などを好む。カモ類の中でも渡来数が多い種の一つ。
形態
全長35〜40cm。日本に渡来するカモ類の中では最小クラス。オス繁殖羽は頭部が赤褐色で目の周りに緑の帯がある。翼鏡は緑色。メスは褐色の縞模様で地味。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
水草の種子・水生昆虫などを食べる陸ガモ。小型のため食べられる肉は少ないが、脂が乗って美味。大群で飛来することがあり、カモ猟では複数種が混在する場面も多い。
ヒドリガモ
Mareca penelope
鳥類 / カモ科
分布
シベリアで繁殖し、越冬のため全国に渡来する冬鳥。湖沼・河川・干潟・海岸などに生息。渡来数が多く、カモ猟ではよく見られる種の一つ。
形態
全長45〜50cm。オス繁殖羽は頭部が赤褐色で額が淡黄色、体は灰色がかった褐色で翼に白斑がある。メスは赤褐色の縞模様。「ピュー」という口笛のような鳴き声が特徴的。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
水草・藻類・陸上の草なども食べる。陸に上がって草をついばむ姿もよく見られる陸ガモ。肉質は良好で食用として人気がある。
ヨシガモ
Mareca falcata
鳥類 / カモ科
分布
シベリア・中国東北部などで繁殖し、越冬のために主に日本・中国南部などに渡来する冬鳥。全国の河川・湖沼に飛来するが、渡来数は他のカモ類と比べてやや少ない。
形態
全長47〜54cm。オス繁殖羽は頭部が金属光沢のある緑色〜赤銅色で、三列風切羽が長く鎌形に垂れ下がるのが最大の特徴。メスは褐色の縞模様でマガモのメスと似る。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
水草・種子などを食べる陸ガモ。オスの美しい羽色から「カモの中で最も美しい」と評されることがある。食用として質が高いとされるが、渡来数の少なさから出会い自体が少ない。
オナガガモ
Anas acuta
鳥類 / カモ科
分布
シベリア・北欧などで繁殖し、越冬のため全国に渡来する冬鳥。湖沼・河川・海岸などに広く生息。特に干潟や大きな湖では大群が見られることがある。
形態
全長オス61〜76cm(長い尾羽を含む)、メス51〜57cm。オス繁殖羽は頭部が褐色、胸〜腹が白く、中央尾羽が著しく長い「オナガ」の特徴がある。メスは淡褐色の縞模様。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
水草・種子などを食べる陸ガモ。首を伸ばして水中に潜り込むように採食する姿が特徴的。肉質は良好。飛ぶ姿が優美で尾羽の長いオスは識別しやすい。
ハシビロガモ
Spatula clypeata
鳥類 / カモ科
分布
シベリア・北米などで繁殖し、越冬のため全国に渡来する冬鳥。湖沼・水田・干潟などを好み、特に富栄養化した水域に集まりやすい。
形態
全長43〜53cm。名前の由来通り、嘴が先端に向かって著しく幅広くなる(へら状)のが最大の特徴。オス繁殖羽は頭部が緑、胸が白、脇腹は赤褐色のコントラストが鮮やか。メスは褐色の縞模様。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
嘴のフィルター構造で植物プランクトンや動物性プランクトンをこして食べる特殊な採食様式を持つ。この食性から肉に独特の臭みが出やすく、食用評価は他のカモより低いとされる場合がある。
ホシハジロ
Aythya ferina
鳥類 / カモ科
分布
ユーラシア大陸の温帯で繁殖し、越冬のため全国に渡来する冬鳥。湖沼・ダム湖・河川に生息。潜水採食型(海ガモ)で、比較的深い水域を好む。
形態
全長42〜49cm。オス繁殖羽は頭部が赤褐色、胸が黒、体は灰色。目が赤い(虹彩が赤)。メスは頭部が淡褐色で体も灰褐色。海ガモとして分類される潜水の得意な種。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
潜水して水草・貝類・昆虫などを食べる。撃ち落とした際に水面への落下後に素早く潜ることがあり、回収が難しい場合がある。肉は脂が多く濃厚。
キンクロハジロ
Aythya fuligula
鳥類 / カモ科
分布
ユーラシア大陸の北部で繁殖し、越冬のため全国に渡来する冬鳥。湖沼・河川・海岸に広く生息。都市部の公園の池にも飛来することがある。
形態
全長40〜47cm。オスは頭に冠羽(後頭に垂れる長い飾り羽)があり、頭〜胸が黒で脇腹が白いコントラストが鮮やか。目が金色(黄色い虹彩)。メスは褐色で白い翼帯がある。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
潜水して貝類・水生昆虫・魚類などを食べる海ガモ。ホシハジロと混群を作ることがある。肉質はやや硬めで独特の風味を持つ。
スズガモ
Aythya marila
鳥類 / カモ科
分布
北欧・シベリアで繁殖し、越冬のため渡来する冬鳥。主に沿岸・内湾・港湾などに大群で飛来する。湖沼よりも海域を好む傾向がある海ガモの代表種。
形態
全長40〜51cm。キンクロハジロに似るが、オスの頭部が緑色の光沢を持ち、冠羽がない点で区別できる。背面は白と黒の細かい縞模様(スズ=雀状)。メスは嘴の基部に白い輪がある。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
潜水して貝類・甲殻類などを食べる海ガモ。大群で内湾に越冬する姿が見られる。沿岸猟でよく出会う種の一つ。キンクロハジロとの識別は頭部の光沢と冠羽の有無がポイント。
クロガモ
Melanitta nigra
鳥類 / カモ科
分布
ユーラシア大陸北部・北米などで繁殖し、越冬のため九州以北の日本の沿岸部に渡来する冬鳥。主に海上・沿岸に生息する典型的な海ガモ。
形態
全長44〜55cm。オスは全身が黒く(嘴の上嘴基部が黄色く膨らむ)、日本のカモ類でほぼ全身黒色の種はクロガモのオスのみ。メスは体が暗褐色で顔の頬部が淡色。
捕獲制限
カモ類合計 1日5羽
補足情報
潜水して貝類・甲殻類などを食べる海ガモ。海上に大群を作ることがある。主に沿岸・内湾での猟で出会う。オスの真っ黒な外見は他種との識別が容易。
キジバト(ヤマバト)
Streptopelia orientalis
鳥類 / ハト科
分布
北海道から九州・沖縄まで全国に分布する留鳥(一部漂鳥)。林縁・農耕地・公園など幅広い環境に生息し、都市近郊でもよく見られる。
形態
全長32〜35cm。体色は赤みがかった茶褐色で、首の側面に青と黒の縞模様がある。翼に赤みがかった羽縁が並ぶ。ドバト(非狩猟鳥)より小型で野性的な外見。雌雄ほぼ同色。
捕獲制限
制限なし
ドバト(カワラバト)は非狩猟鳥のため捕獲禁止。外見が似るため識別を徹底すること。
補足情報
種子・草の実・果実などを食べる草食性。「デデッポッポー」という特徴的な鳴き声で存在がわかりやすい。農作物(大豆・麦等)への食害が報告される場合がある。ドバト・シラコバト(非狩猟鳥)との識別に注意。
バン
Gallinula chloropus
鳥類 / クイナ科
分布
北海道から九州まで全国に分布する留鳥(北部個体は漂鳥)。湖沼・河川・葦原・農業用水路など水辺環境に生息。近縁種のオオバンは非狩猟鳥のため注意が必要。
形態
全長30〜35cm。体色は全体的に黒に近い暗灰色で、翼の側面に白い線がある。額板(嘴の付け根の膜)と嘴基部が赤く、嘴先端が黄色い。足は緑がかった黄色。オオバンは全体が黒く額板が白い。
捕獲制限
制限なし
近縁のオオバンは非狩猟鳥のため捕獲禁止。識別ポイントは額板の色(バン=赤、オオバン=白)で確認すること。
補足情報
雑食性で水草・種子・水生昆虫などを食べる。水辺を歩いたり泳いだりしながら採食する。「クルルッ」という独特の鳴き声を持つ。水辺猟ではカモと同様の猟場で出会うことがある。
ヤマシギ(アマミヤマシギを除く)
Scolopax rusticola
鳥類 / シギ科
分布
ユーラシア大陸で繁殖し、越冬のため渡来する冬鳥(北海道では繁殖する夏鳥)。落葉広葉樹林・混交林の林床などを好む。薄暗い林内に潜んでいることが多い。
形態
全長33〜38cm。体色は赤褐色・黒褐色・淡色の複雑な縞模様で、落ち葉に紛れる保護色を持つ。長い嘴で土中のミミズを探す。目が頭の側面上方に位置し後方視野が広い。
捕獲制限
制限なし
アマミヤマシギ(別種・奄美大島固有)は非狩猟鳥のため捕獲禁止。
補足情報
ミミズ・昆虫・小動物などを食べる。夕暮れ時に「ウーシュ」という声を出しながら林内を低く飛ぶ「ロドニング(繁殖飛行)」が観察される。肉は美味で猟師に人気が高い。欧州では伝統的なジビエの最高級品の一つ。
タシギ
Gallinago gallinago
鳥類 / シギ科
分布
シベリアなどで繁殖し、越冬のため全国に渡来する冬鳥(九州南部などでは少数繁殖)。水田・湿地・河川の浅瀬・草地など湿った環境に生息する。
形態
全長25〜27cm。体色は褐色に複雑な縞模様で、頭部に黄褐色の縦縞がある。長い嘴を持ち(体長の約1/3)、土中にまっすぐ差し込んでエサを探す。ヤマシギより小型で保護色が強い。
捕獲制限
制限なし
近縁のチュウジシギ・ハリオシギ(非狩猟鳥)との識別が野外では困難な場合がある。識別に自信がない場合は捕獲を控えることが望ましい。
補足情報
ミミズ・昆虫・小型甲殻類などを食べる。驚かせると鋭く「ジェッ」という声を出して低空を飛んで逃げる「フラッシング」が特徴的。飛翔が素速く、ハンターからの評価が高いゲームバード。欧州でも人気の猟鳥。

出典・参考資料

環境省「狩猟制度の概要」(環境省 野生鳥獣の保護及び管理)/ 環境省「鳥獣保護管理法の概要」/ 大日本猟友会「狩猟鳥獣一覧」/ 岩手県猟友会「狩猟できる鳥獣とは」(2024年)/ 宮城県「狩猟におけるルール」(2024年)/ 農林水産省「野生鳥獣被害防止マニュアル(中型獣類編)」(2018年)/ 環境省「クマ類の生態と現状(第4章)」/ WWF「日本に生息する2種のクマ」/ 東京都環境局「アライグマ・ハクビシンについて」(2024年)/ 環境省「分布を拡大する外来哺乳類(アライグマ・ハクビシン・ヌートリア)」(2017年)/ 狩猟生活「国内で獲れる46種 狩猟鳥獣 鳥類26種」(2024年)