狩猟免許、何から始めればいいか分からない人へ――2026年最新取得までの全手順を解説
初めに
「狩猟をやってみたい」と思ったとき、最初に誰もが感じるのは「何から手をつければいいのかわからない」という戸惑いだと思う。
私も最初はそうだった。相当前の話だが、免許を取ろうと思い立ったとき、まわりに教えてくれる人がおらず、どこに申し込めばいいのかすら最初は見当がつかなかった。今は情報が増えたとはいえ、「免許の種類が複数ある」「免許を取っただけでは狩猟できない」「銃は別の許可が要る」と知って、入口で立ち止まってしまう人が今も多い。周りのハンターたちと話すと、「始め方がわからなくて一年以上悩んだ」という声をよく聞く。
この記事では、狩猟免許の種類から取得の流れ、試験の中身、費用、免許取得後に必要な手続きまで、順番に整理して説明する。「全部わかった上で踏み出してほしい」——それが、この記事を書いた理由だ。
狩猟免許の種類
日本の狩猟免許には、主に4種類がある。「猟をやりたい」といっても、何を使って何を獲るかによって取るべき免許が変わってくる。まずここを整理しておかないと、後で「自分が取りたかった猟ができない」ということになりかねない。
第一種銃猟免許
散弾銃やライフル銃を使って狩猟を行うための免許だ。シカやイノシシ、カモ、キジなどを対象とした狩猟に使用される。ただし、銃を使うためには狩猟免許とは別に「銃の所持許可」を警察から取得する必要がある。この「別途必要」という点を見落とす人が多いので、特に注意してほしい。
第二種銃猟免許
空気銃(エアライフル)を使用した狩猟のための免許だ。主にカモなどの鳥類や小動物を対象とする。第一種と比べて取り扱いのハードルは少し低いが、銃の所持許可が別途必要な点は同じだ。
わな猟免許
くくり罠や箱罠などを使って動物を捕獲するための免許だ。シカやイノシシの駆除にも使われるため、現在もっとも取得者が多い免許のひとつになっている。銃を使わないため、初心者にも比較的始めやすい。このサイトで解説しているくくり罠の記事も、この免許を取得した方を前提に書いている。
網猟免許
むそう網やはり網などの網を使って鳥類を捕獲するための免許だ。現在は取得者が少なく、実際の狩猟で使われる機会もあまり多くない。よほど特定の目的がない限り、最初に取るものではないだろう。

狩猟免許取得までの流れ
流れ自体はシンプルだ。ただ、「免許を取っただけでは狩猟できない」という点だけは、最初に頭に入れておいてほしい。
- 狩猟免許試験に申し込む
- 狩猟免許試験を受験する
- 試験に合格する
- 狩猟者登録を行う
- 狩猟を開始する
私が免許を取ったとき、「合格したからもう猟ができる」と思ってしまい、登録が必要だと気づくのに少し時間がかかった。同じ勘違いをしている人は今も多い。合格はゴールではなく、スタートラインに立つための条件だと思っておくといい。
注意したいのは、狩猟免許に合格しただけでは狩猟ができないという点だ。実際に狩猟を行うためには、各都道府県で「狩猟者登録」を行う必要がある!

狩猟免許試験の内容
試験は大きく分けて3つで構成されている。どれも「難関」というわけではないが、準備なしに臨むと思わぬところで足元をすくわれる。
知識試験
マークシート形式で行われる。出題される主な内容は以下のとおりだ。
- 狩猟に関する法律
- 狩猟期間
- 捕獲してよい鳥獣の種類
- 捕獲禁止区域
- 狩猟時の安全管理
「法律の話だから難しそう」と思う人もいるかもしれないが、出題範囲は決まっているし、テキストを読めば十分対応できる。事前講習会に出れば、重要なポイントを絞って教えてもらえるのでなお安心だ。
適性試験
視力・聴力・運動能力・精神状態など、安全に狩猟ができるかどうかを確認する試験だ。通常の生活が送れていれば特に問題ない。「試験」という言葉に身構えなくていい。

技能試験
実際に狩猟に必要な技術を確認する試験で、免許の種類によって内容が異なる。
わな猟の場合
- くくり罠の設置方法
- 箱罠の仕組みの理解
- 鳥獣の判別
銃猟の場合
- 銃の安全な取り扱い
- 鳥獣の判別
- 距離の判断
鳥獣判別は特に重要だ。「これは狩猟対象か、そうでないか」を正確に見分ける能力が問われる。私がわな猟の試験を受けたとき、この鳥獣判別が一番「ちゃんと覚えないといけない」と感じた部分だった。見た目が似た動物でも、捕獲が許されているかどうかは全く違う。ここは手を抜かず、しっかり覚えてほしい。
狩猟免許試験の合格率は?
試験って難しいんじゃないか」と心配している人もいるだろう。結論から言えば、しっかり準備すれば初心者でも十分合格できる試験だ。
目安の合格率はこのとおりだ。
- わな猟:約80〜90%
- 銃猟:約70〜80%
多くの自治体では事前講習会が開催されており、これに参加するだけで合格率はかなり上がる。周りの若手ハンターたちに聞くと、「講習会に出て、テキストを一通り読んだら受かった」という人がほとんどだ。逆に講習会をスキップして臨むと、鳥獣判別あたりで足元をすくわれることがある。面倒でも参加することを強くすすめる。
狩猟免許取得にかかる費用は?
気になるのはお金の話、という人も多いと思う。目安としては以下のとおりだ。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 試験料 | 約5,200円 |
| 講習会費用 | 約1万〜2万円 |
| テキスト代 | 約2,000円 |
| 合計 | 約2万〜3万円 |
合2〜3万円で始められる、と考えれば決して高くはないと思う。ただしこれはあくまで免許取得までの費用だ。実際に狩猟を始めるには、この後に出てくる登録費用や保険なども必要になる。全体像を把握した上で準備してほしい。
狩猟免許取得後にやること
免許を取って終わり、ではない。ここからが本番だ。

狩猟者登録
狩猟を行うためには、毎年「狩猟者登録」を行う必要がある。費用は地域によって異なるが、おおよそ1万5,000円前後だ。「毎年」という点を忘れている人が意外に多いので注意してほしい。
狩猟税
狩猟税も毎年必要になる。金額は自治体によって異なるが、目安はこのとおりだ。
- わな猟:約8,200円
- 銃猟:約16,500円
ハンター保険
狩猟中の事故に備えて、多くのハンターが加入している。年間の保険料は約3,000〜5,000円程度だ。正直なところ、これは「入っておいて当たり前」の備えだと私は思っている。山の中では何が起きるかわからない。安全装備の記事でも書いたが、備えを怠った代償は大きい。
銃猟をする場合の追加手続き
銃を使った狩猟を行う場合は、さらに警察から「銃の所持許可」を取得する必要がある。主な手続きは以下のとおりだ。
- 射撃教習
- 警察による審査
- 銃の保管設備の確認
取得までに半年〜1年ほどかかることもある。「銃猟をやりたい」と決めているなら、早めに動き始めることをすすめる。
おまけ①:初心者におすすめの狩猟免許は?
「どれから取ればいいか迷っている」という人には、わな猟免許を強くすすめる。
理由は明確だ。銃が不要・比較的安全・取得しやすい、そしてシカやイノシシの駆除にも使える。現在は野生動物による農作物被害が深刻化しており、自治体でもわな猟ハンターの需要が高まっている。「地域の役に立ちながら猟を覚えたい」という人には特に向いている入口だ。
私自身もわな猟から始めて、現場感覚を積み上げてきた。くくり罠の設置から見回り、止め刺しまで、一通りの経験が「猟師として判断する力」の土台になっていると感じている。。
おまけ②:狩猟免許試験はいつ行われる?
狩猟免許試験は各都道府県が実施しており、実施時期は地域によって異なる。多くの場合は6月〜10月頃に複数回開催される。都市部では年に3〜5回ほど試験が行われることもある。
「試験を受けようと思ったら今年の分は終わっていた」というのはよく聞く話だ。思い立ったら早めに自分の都道府県の公式サイトで日程を確認することをすすめる。来年まで待つ必要はない。
まとめ
狩猟免許の取得から狩猟開始までの流れをまとめると、こうなる。
- 狩猟免許試験に申し込む
- 試験(知識・適性・技能)を受験する
- 試験に合格する
- 狩猟者登録を行う
- 狩猟を開始する
手続きの数を見ると「面倒そう」と感じるかもしれない。でも一つひとつは難しくない。そして一度始めてしまえば、あとは積み重ねるだけだ。
私がこの記事を通じて一番伝えたいのは、「やると決めたら早く動け」ということだ。「来年にしよう」と先延ばしにして、結局何年も経ってしまう人を何人も見てきた。逆に、思い立ってすぐ申し込んだ人は、その年のうちに山に入っている。
今日やることは一つだけでいい。自分の都道府県の狩猟免許試験の日程を調べてみること。それだけだ。調べた先に、具体的なスケジュールが見えてくる。
「まずわな猟から始めてみようかな」と思った方は、このサイトのくくり罠や解体の記事も参考にしてほしい。免許を取る前から読んでおくと、現場のイメージが掴みやすくなるはずだ。

管理者コメント
狩猟免許を取ったとき、教えてくれる人も参考になる情報源も今より圧倒的に少なかった。手探りで始めて、失敗して、ようやく覚えてきたことが山ほどある。今はハンター仲間たちが「こういう記事があれば最初から知れた」という話を聞かせてくれる。それがこのサイトを作った動機のひとつでもある。
狩猟は自然と真剣に向き合う活動であり、危険も責任も伴う。だからこそ、入口で正しい情報を得て、準備を整えて踏み出してほしい。この記事がその一助になれば嬉しい。
